バラナシでは衝撃的な現場を目撃する。ガートを歩いていると、小さな仔犬が同じくらいの大きさと色をした、頭の無い死んだ仔犬の肉を食べていた。おそらく弱くて生きていけなかった兄弟が死んで、他の兄弟の糧になったのだろう。それは当然のことであり、自然のことであるのを悟らせてくれた。頭が無かったのは、既に食べてしまったか、或いは親が食べたのかもしれない。動物は余分に多く産んで、他の動物に食べられる。それは自然の摂理であり、道徳を持つ人間には許されないことなのだろう。しかし母親や兄弟が死んだ我が子を食べることは、食べ物が少ない地域では、あったことなのだろう。もしかするとインドの田舎で食料が乏しい地域では、未だに子喰いは存在するかもしれない。僕たちは、中国、ベトナム、ラオス、インドと旅をしてきて、沢山の野良犬に出会ったが、インドの犬だけがビスケットを食べていた。それ程食料が乏しく、貧しい。しかし、一番動物がバランスよく生きているのもインドだった。ネズミが沢山いるインドでは、猫さえもビスケットを食べるのには驚いた。振り返って考えてみると、色んな事に深い理由があって、僕たちの常識を覆す大きな真理を垣間見れることが多い。
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